2006/04 .

所得格差

04/04/(22/01)

格差社会を形成している要因に、企業の「低賃金」「長時間労働」「悪環境」があります。
過酷な労働条件の中で働いている日本の労働者は、次第に、余裕をなくしています。
そして、生活崩壊が、始まります。

日本の描く未来社会は、「金持ち優遇こそが社会の原動力です」という社会です。
政府は、グローバリゼーションに対応できる企業だけ、支援します。
中小企業は、支援の対象から外します。
過疎地に住む人々を、切り捨てます。
こういう中で、所得格差・資産格差が、拡大しました。
「不安」な社会になってきました。
こうしたことに怒り、「おかしい」と思う人々が、確実に、増えています。
今、社会のもっとも弱い部分から見る以外に、この社会の本質は、分からなくなってきています。
だから、底辺にいる人達の思いが、重要になっている時代です。

若者の格差は、これから十年後、二十年後と進むにつれて、30代、40代の労働者の格差になっていきます。



請負会社と派遣会社

04/05/(22/11)

今、電機産業は、国内に新工場を、建設しています。
通常、新規工場の建設には、労働者の新規採用を伴います。
しかし、実際に雇われる正規社員は、ほんの一部です。
大多数は、請負会社の労働者です。
実際に、工場で働くのは、請負労働者がほとんどです。

例;
三重県のシャープの液晶テレビ製造工場。
2600人が、働いています。
正社員は、800人です。
1800人は、請負会社の従業員です。
正社員と請負労働者の区別は、食堂から駐車場、立ち入り区域まで、厳格に決められています。

その請負労働者の賃金は、時給900円〜1100円です。
残業2時間込みで一ヶ月フルに働いて23万円です。
6ヶ月ごとに、契約更新制です。
人件費のコストダウンで、空前の利益を手に入れました。
こうした請負労働者は、統計上サービス業に、分類されます。
請負労働者にとって、時給がすべてです。
請負会社は、社会保険料も、払わないのがほとんどです。
まさに、請負会社と派遣会社が、共謀する無法地帯です。

3月9日、シャープは、社員の再雇用を、保証制度を導入すると発表しました。
この制度は、正社員だけが対象です。
つまり、正社員の処遇が、拡がっています。
かつて、イギリスなどでは、階級社会が、形成されてきました。
ホワイトカラーとブルーカラーの対立です。
ホワイトカラー=資本家・経営者の職務を代行する職員。
ブルーカラー=現場労働者。
いま、日本では、エリート社員と正規社員のブルーカラーと非正規社員のブルーカラーの三重構造が、形成されつつあります。
非正規社員の不安定・低処遇・無権利状態が、着実に拡がっています。
我々は、労働者の分断構造を、打破しなければならない。 



不公平な格差

04/06/(22/21)

中小企業が、直接請け負えば、130万円で済むところを、大企業が、70万円のブランド料を上乗せして、200万円で売ります。
下請け費用の上乗せ分は、年功序列の高い人件費とブランド維持費(広告費)だけに、注ぎ込まれます。

大企業は、下請けに無理難題を言い、その全てを、独り占めしています。
能力が劣っているわけでもない。
学歴が劣っているわけでもない。
ただ会社の規模が、違うだけです。
多くの中小企業は、搾取され、口惜しい思いをしています。
このような不公平は、中小企業−大企業の間だけではありません。
民−官の間にも、存在しています。

例;
私鉄のバス運転手さんの年収378万円は、(月給21万円と6ヶ月賞与)です。
公務員の運転手さんの年収は、800〜1,000万円以上です。
待遇や諸手当を含めると、その格差は、さらに拡大します。



2003年、労働基準法が、改正されました。

04/07/(22/31)

1990年以降、大企業は、労働者の「首切り」「出向」「配置転換」を、強行しています。
2003年3月、労働基準法が、改正されました。
・解雇ルールの新設。
・期限付き雇用。
・裁量労働の拡大。
この改正により、「正規から非正規へ」という雇用形態が、どんどん進行しています。
あらゆる職場に、契約・派遣・パート等の雇用者が、存在するようになりました。
多くの労働者が、無茶苦茶な労働条件のもとで、働かされる状況が、生まれはじめました。
非正規雇用者は、現在1500万人(全雇用者35%)です。
若者のフリーターも、急増して、417万人です。

パートの平均時給は、893円です。
年収、893円×2000時間=178万円
派遣の平均時給は、1250円です。
年収、1250円×2000時間=250万円
零細企業の新規高卒者の基本給は、12万円〜15万円です。
年収、月15万円×14ヶ月(ボーナス2ヶ月分)=210万円
このような低賃金では、とても生活することができません。
仕方がなく仕事の掛持ちをしたり、親を頼ります。

また、非正規雇用者の処遇格差は、ひどいものです。
有給がない。
契約期間の短期化(6ヶ月未満が88%)。
解雇自由(契約解除、更新の拒否)。
健康診断や医務室などの施設の利用差別。
制服支給や名簿記載がない等。
身分差別が、横行しています。
まさに、人権なき職場です。

正規と非正規の二極化によって、労働者同士の対立が、強まっています。
「官と民」の対立。
「正規と非正規」の対立。
「大企業と中小・零細」の対立。

民間労働者は言います。
「公務員は高給取りで、5時に終われる。」
パートは言います。
「仕事量は正規と同じなのに、賃金は半人前です。」
「1部の正規はたいした仕事もしないのに、私たちより高い月給です。」
零細企業の労働者は言います。
「大企業は、週休2日制で、長期休みは海外旅行です。」

高度成長期、大企業の賃上げが、中小・零細の賃上げに、波及していきました。
新卒者や若年労働者の人手不足などが、背景にありました。
しかし、今、その賃上げ波及構造は、崩れてしまいました。

大企業と中小企業の労働者の年間給与差は、この10年で、256万円から298万円に、拡大しました。
急激している非正規労働者の賃金は、その波及から、隔絶(かくぜつ)しています。
不況下、大企業の賃金は、引き下げられてきました。
しかし、非正規労働者の賃金は、それ以上に、引き下げられてきました。
非正規労働者の賃上げは、枠外に、置かれたままです。
結果、雇用構造が、大きく分断されました。
正規労働者は、この10年で、400万人も、減っています。
逆に非正規労働者は、650万人も、増えています。

2006年の大企業の夏ボーナスは、高い伸び率になりました。
従業員5人以上の企業の1人あたり支給額は、42万62円です。
2005年は、41万618円でした。
支給総額は、一兆六千七十五億円。



所得格差のデーター

04/08/(22/31)

所得格差の推移(先進国)(1999年)


所得水準と貧富格差(人口3000万人以上の国、1993−2001年)


貧富の格差=富裕層上位20%所得/貧困層下位20%所得
全く平等の場合は、1です。

日本の所得格差指数(ジニ係数)は、OECD25カ国のうち第10位でした(2005年)。
貧困率の高さは、第5位でした。
1990年代後半から、増大しています。

所得格差指数;

高位グループ
メキシコ(46.7%)
トルコ(43.9%)
米国(35.7%)
イタリア(34.7%)
ニュージーランド(33.7%)
英国(32.6%) 日本(31.4%)

1979年(27.1%)
1989年(29.3%)
2004年(30.8%)
格差がジリジリと拡大してきました。

低いグループ(27%以下)
ノルデック4カ国(デンマーク、スウェーデンなど)

中位グループ(27%〜30.5%)
EU諸国(ベルギー、フランス、ドイツなど)とカナダ、オーストラリア


貧困率;
メキシコ(9.3)
トルコ(6・5)
米国(5.4)
ポルトガル(5.0)
日本(4.9)
24カ国の単純平均4.2

貧困率(人口比率)
メキシコ(20.3%)
米国(17.1%)
トルコ(15.9%)
アイルランド(15.4%)
日本(15.3%)
24カ国平均10.4%

年齢階層別の貧困率;
日本は全ての年齢階層で平均水準を、上回っています。
76歳以上(23.8%:8位)
66〜75歳(19.5%:7位)
51〜65歳(14.4%:3位)
18〜25歳(16.6%:4位)

近年世界の所得格差は、安定しつつあります。
しかし、そのなかで、日本と英国のジニ係数だけが、増大傾向です。

インドネシアからアルゼンチン、ポーランドまでが、中所得国です。 ラテンアメリカ諸国(南アフリカ・ブラジル・コロンビア・アルゼンチン・メキシコなど)の貧富格差が大きいです。
旧スペイン植民地特有の大土地所有制の影響です。
アジアの諸国の中ではラテンアメリカに似たフィリピンの貧富格差が、大きいです。

----------------------

確かに、失業率が高まり、生活保護世帯も増え、ホームレスも増えました。
一方で、高級品が売れています。
貯蓄を持っていない世帯(2人以上)は、22.8%でした(2005年)。 貯蓄のない世帯数は、約800万人となります。
1963年以来最高です。

日本の貧困率は、どうして高いのでしょうか?
社会保障給付と税による所得格差の縮小策が、極めて貧弱です。
市場所得の貧困率では、日本は、フランス・ドイツ・ベルギー・デンマーク・イギリス・アメリカなどより低いです。
しかし、可処分所得における貧困率では、日本は、米国を除いた他の諸国より高いです。
つまり、ヨーロッパ諸国は、税と社会保障給付によって低所得者の可処分所得を引き上げて、貧困率を引き下げます。
反対に、日本では再分配政策が極めて弱いので、可処分所得の貧困率は高くなります。

片親世帯の貧困率;
日本がトルコとともに、60%以上で、群を抜いて高いです。
次いで、米国が40%です。
広汎な低賃金(パート賃金)が原因です。

生産人口における貧困層;
日本では、2人働き世帯の貧困層が4割です。
1人働き世帯の貧困層が、30%です。
無業者の貧困層は10%です。
先進国の貧困層では、2人働き世帯、1人働き世帯の貧困層は大幅に小さいです。
無業者の貧困層が、中心になっています。

高齢者の貧困層;
日本では、約半数が働いています。
他の先進諸国には、見られない特異な特色です。
日本では、パートなど低賃金労働が、広汎に存在しています。
この勤労層が、低所得層を形成し貧困比率の高さを、生み出しています。
パート賃金の格差改善が、極めて重要になっています。



世帯別所得金額

04/09/(19/52)

1世帯の資産額は、3900万円でした。(2004年)
1999年より11.1%減りました。
宅地資産が、下落したためです。
金融資産は、950万円でした。
6.1%増えました。
最も年収の低い階層の資産は、2434万円でした。
最も高い階層は、8161万円でした。
格差は、3.4倍です。
1999年(3.1倍)より格差が、拡大しました。
最も年収の低い階層の平均年収は、212万円でした。
最も高い階層は、1668万円でした。
格差は、7.9倍です。
1999年(7.5倍)より格差が、拡大しました。

1世帯あたりの平均所得金額;《2003年》
全世帯の平均所得金額は、579万7千円
高齢者世帯の平均所得金額は、290万9千円《50.18%》
児童のいる世帯の平均所得金額は、702万6千円《121.20%》
母子世帯の平均所得金額は、224万6千円《38.74%》
全世帯の平均所得金額は、1996年《661万2千円,87.67%》から減少しています。

1世帯当たり平均所得金額;
29歳以下  312.4万円 《 53.89%》
  30〜39歳 554.0万円 《 95.57%》
  40〜49歳 719.7万円 《124.15%》
  50〜59歳 763.8万円 《131.76%》
  60〜69歳 547.7万円 《 94.48%》
  70歳以上  426.6万円 《 73.59%》

所得金額階級別世帯数;
100〜200万円が11.6%
200〜300万円が11.3%
300〜400万円が12.2%
400〜500万円が11.2%
平均(597万7千円)より低い世帯の割合は、60%です。
高齢者世帯では250万円未満が、53.0%
母子世帯では200万円未満が、57.0%

所得金額階級(2004年);
100 万円未満 100〜 300 300〜 400 400〜 600 600〜 800 800〜 1000 1000 万円以上 平均所得
児童のいる世帯 1.5% 10.6% 9.4% 24.2% 22.2% 14.1% 17.9% 2,909,000
高齢者世帯 15.2% 47.2% 17.7% 12.9% 3.6% 1.3% 2.1% 7,026,000
母子世帯 16.2% 62.0% 10.2% 8.0% 2.0% 1.8% 0 2,246,000


世帯構造別割合;
夫婦と未婚の子のみの世帯が、32.7%
単独世帯が23.4%
夫婦のみの世帯が21.9%

貯蓄額(2004年)
貯蓄がない 100 万円未満 100〜 300 300〜 500 500〜 700 700〜 1000 1000〜 3000 3000 万円以上 平均貯蓄
29歳以下 18.0% 35.9% 21.0% 7.9% 3.5% 2.7% 2.0% 0.2% 1,745,000
30〜39歳 7.8% 13.2% 22.6% 14.9% 10.9% 8.7% 13.3% 1.4% 5,704,000
40〜49 8.1% 7.6% 12.6% 12.5% 10.7% 10.1% 25.0% 4.1% 8,891,000
50〜59 8.1% 6.3% 10.8% 9.1% 10.3% 8.5% 27.5% 9.6% 13,036,000
60〜69 9.4% 6.9% 10.5% 8.7% 8.7% 7.6% 25.7% 12.9% 15,459,000
70歳以上 10.3% 8.3% 12.1% 9.0% 9.3% 6.7% 22.5% 10.3% 13,789,000


年齢別仕事(2004年)
自営業者 会社・団体の役員 一般常雇者 1月以上1年未満の契約社員 1月未満の契約社員 失業者 不 詳
男29歳以下 2.0% 1.1% 33.6% 4.1% 1.3% 54.5% 3.6%
男30〜49歳 11.4% 5.1% 72.3% 1.6% 0.3% 5.2% 4.3%
男50〜59歳 20.5% 8.2% 59.5% 1.6% 0.3% 7.5% 2.4%
男60歳以上 18.6% 4.1% 11.2% 3.0% 0.6% 59.8% 2.7%
女29歳以下 1.4% 0.6% 29.8% 5.5% 1.3% 58.6% 3.0%
女30〜49歳 4.0% 1.4% 41.8% 8.3% 0.9% 34.9% 8.9%
女50〜59歳 6.4% 2.2% 33.0% 7.2% 1.0% 37.4% 12.8%
女60歳以上 4.7% 0.7% 4.6% 1.5% 0.3% 81.0% 7.2%






米国の格差

04/10/(20/33)

米国人口の0.1%の所得は、181%上昇しました。
0.01%の所得は、497%上昇しました。
0.1%の年収は、40万2306ドル。
0.01%の年収は、167万2726ドル。
0.001%の年収は、ほぼ600万ドルと推定される。
歴史は教えてくれます。
高度な格差社会は、高度な腐敗を生みます。
所得格差の増大は、「デモクラシー社会への脅威」です。
ごくごく少数者の膨大な所得収入によって、格差は、ドンドン増大しています。

米国で所得格差が、特に拡大しています。
上位20%年間所得平均=12万2150ドル(2000年)
下位20%=1万6780ドル
格差は7.3倍。

ニューヨーク州が、最も所得格差が大きいです。
上位20%年間所得平均=13万431ドル
下位20%=1万6076ドル
格差は8.1倍。

一番差の小さいワイオミング州は、5.2倍。

低賃金の仕事が、移民の増加と同時に拡大しました。
低所得層の賃金の伸びが、抑え込まれました。
1990年代に一時格差が、縮まる傾向でした。
しかし、2001年から、再び拡大の傾向になりました。

中流階級のほうが、もっと深刻です。
中流階級の消費パターンは、金持ちの消費パターンに、集中されていきます。
中流の米国人は、もう少し所得を増やす必要に迫られます。
かつて、米国は、世界に先駆けて労働時間を、削減させきました。
今、米国の労働者は、欧州に比べて、年間200時間〜400時間多く働いています。

その代償は、何ですか?
愛する家族や友人たちと過ごす余暇時間が、減少します。
人々は、自分の領域へ、引きこもるようになります。
社会に、隔たりが、生まれます。
頂上と谷間にいる人との間の連帯感や信頼感は、薄れていきます。
その結果、米国社会にあった隣人や家族との情緒的な支え合いが、失われます。
それによって、国民の健康が、損ないます。

健康を代償にして、所得を増やします。
「必要ではないが欲しい物」を、せっせと、買っては、消費します。
最終的に、何も得ません。
日本は、米国型の豊かな生活に追いつこうと、必死になっています。

米国人の平均寿命が、ギリシャ・スペイン・コスタリカなどより、低いです。
OECD加盟28カ国中、男性22位、女性19位です。
健康は金では、買えないということです。
健康は、経済的なパイの大きさではなく、その配分が問題です。
米国は、経済先進国のなかで、最も富の配分が、偏ったところです。
米国人は、他国民に比べると、所得格差に無頓着なところがあります。
低所得層ですら、関心が薄いです。
しかし、最近、格差によってもたらすひずみが、問題になってきました。
貧困地区の治安の悪化。
住民の食生活の偏り。
富裕層の食事カロリーの過剰摂取。
アルコール・タバコの飲みすぎ。
所得格差と貧困率が死亡率を、上昇させました。
殺人発生率・うつ病・心臓発作・ガンなど。

資本主義が、世界の人々のためになっているのでしょうか?
資本主義の弱肉強食は、人類発展に寄与するのでしょうか?
非人間的な人々が、日増しに増えています。
アメリカは、大義のないイラク戦争やテロ対策に、多くを費やしています。
しかし、ハリケーンでは、低所得者層が、犠牲になりました。

ここ10〜15年、日本の所得格差が、急速に拡大しています。
「下流社会」という言葉が、流行語になるほど、急速に格差が拡大しています。



日本の税制

04/11/(22/40)

国家やマスコミは、言います。
国の借金残高が、七百兆円を超えました。
社会福祉をまかないきれない。
だから、消費税の引き上げは、避けられない。

日本では、「消費税引き上げはやむを得ない」という世論が、作られつつあります。
なぜ、財政赤字が、拡大したのですか?
膨大な財政赤字を、誰が、作ったのですか?
一般国民が、膨大な財政赤字を、作ったのですか?
国民が、長い間、払い続けている年金・医療保険は、どうなっているのですか?
政府やマスコミは、それに触れません。

たび重なる法人税や高額所得者への減税で、年間十兆円の税収が、減りました。

所得税;
1987年まで、税率は、15段階、個人住民税は14段階でした。
最高税率は、所得税70%でした。
住民税18%も含めて88%でした。
それが1987年、1988年、1994年に、次々と最高税率・最高課税所得額が、下げられました。
1999年に、最高税率は、37%になりました。
かつての半分に、下げられました。
税率も4段階になりました。
個人住民税も14段階から3段階になりました。

<所得税率の推移>高額所得者への大減税
最高税率 最高課税所得 最低税率 段階
1971〜83年 75 % 8000万円超 10.0 % 19
1984〜86年 70 % 8000万円超 10.5 % 15
1987年 60 % 5000万円超 10.5 % 12
1988年 60 % 5000万円超 10.0 %
1989〜98年 50 % 3000万円超 10.0 %
1999〜現在 37 % 1800万円超 10.0 %


法人税;
「法人税が高いと国際競争力が、弱くなる」がキャンペーンです。
そのたびに、減税されてきました。

<法人税率の推移> 大企業への大減税
1988年 1991年 1995年 1998年 1999年
42.0 % 37.5 % 37.5 % 34.5 % 30.0 %


法人税率;
1984年.....43.3%
1989年.....40%
1990年.....37.5%
1998年.....34.5%
1999年.....30%

法人事業税も、12%から9.6%に引き下げられました。
しかも、大企業には、それ以外に、研究開発減税などの特別減税があります。

大企業や高額所得者に、減税を繰り返せば、税収が減少し、赤字が増えるのは当然です。

また、税金の多くが、大企業や米国政府の要求で、使われています。
大企業は、利益の恩恵を受けています。
多くの国民には、恩恵が回ってきません。

竹下内閣が、福祉のための消費税を、導入しました。
1989年4月から、3%で実施しました。
1997年4月から、5%に、引き上げられました(橋本内閣)。

消費税は、低所得者や年金生活者ほど負担が重い、弱者いじめの税金です。
しかも、欧米などの間接税では、食料品や日用品などは、ゼロかきわめて低率になっています。
日本の消費税は、食料品などへの配慮が、まったくありません。
だから、5%でも、低所得者には、負担がきわめて重い税金です。

さらに輸出企業には、「輸出戻し税」があります。
外国の消費者から消費税がとれないので、輸出売り上げの消費税は、ゼロです。
一方仕入れにかかった消費税は、引くことができます。
つまり、「輸出戻し税」が、もらえます。

この戻し税の総額は、年間1兆7千億円です。
そのうち、トヨタへの戻し税は、7千億円です。 消費税率が上がるほど、戻し税の額も多くなります。
日本経団連の奥田会長などが、消費税の大幅引き上げを主張するのは、自分の会社の利益にもつながるからです。

消費税が、逆進性があることを、政府税調も認めています。
しかし、政府税調は、言います。
「所得税が累進課税だから、カバーしている」
「社会保障があるから、大丈夫」
しかし、実際は、社会保障を、どんどん、切り捨ててます。
国民負担だけが、増えています。





戦後の日本

04/12/(22/50)

戦後日本の税制の基本;
税金には、所得の再分配を行う機能があります。
一生懸命働いても、所得の格差が、生じます。
したがって、応能負担(能力に応じて税を負担する)を、原則にします。
所得の高い人には、高い税率を、負担してもらいます。
累進課税と社会保障の組み合わせで、所得格差を、小さくします。
福祉の行き届いた社会と国家を、作ります。

格差を是正することが、政治の責任です。
消費税の大幅引き上げを要求するのなら、大企業や高額所得者にも、負担させるべきです。
逆に、生活保護世帯が、100万世帯を超えたので、政府は、生活保護費の国庫負担率を、下げようとしました。
まさに、社会的弱者いじめです。
憲法は言います。
「文化的で最低限度の生活を保障」

持ち家のある世帯(2004年);
持ち家のある世帯は66.5%
高齢者世帯は77.4%
高齢者(65歳以上)のいる世帯は84.7%
児童のいる世帯は66.0%
母子世帯は23.1%

生活意識の状況(2004年);
全世帯の「普通」39.4%
「苦しい」55.8%
高齢者世帯の「普通」45.5%(1.15倍)
「苦しい」50.0%(0.90倍)
児童のいる世帯の「普通」33.5%(0.85倍)
「苦しい」63.1%(1.13倍)
母子世帯の「普通」12.9%(0.33倍)
「苦しい」85.9%(1.54倍)



日本社会は、二つに分断されようとしています。

04/13/(22/55)

個人金融資産は、1416兆円でした(2005年)。
GDP(国内総生産)の3倍です。
国民一人当たりの残高では、アメリカに次いで2位です。
イギリス、ドイツ、フランスと続きます。
株価上昇の影響で、本年度も個人金融資産が、増加するようです。
国民全体の資産が増えながら、無貯蓄世帯が、増加します。
日本社会は、確実に階層社会へと突き進みます。
バブル崩壊以降、富が、特定階層に、一極集中しています。

ナチスの独裁体制を選択した原因は、中間層の没落によるものだと、言われています。
健全な民主主義体制を持続可能とするためには、中間層の存在は、欠かせないものです。
日本社会は、富を持つ者と持たない者の二つに、分断されようとしています。



在日米軍再編

04/26/(18/02)

「在日米軍再編は、日本の要請に基づくものだ」と、米国政府は、言いました。
米国政府は、在日米軍再編の負担を、日本側に要求しました。
日本政府も、「基地負担軽減です」と、言っています。

「負担軽減」は、ごまかしです。
在日米軍再編は、負担軽減から始まった議論ではなかった。
米国側は、明確な意図を、最初から、持っていました。
戦争の先制攻撃を、機動的に、展開したかった。
しかも、日本などの同盟国と、戦争を戦えるようにするものです。

日本自衛隊も、そこに、一体化する動きを見せています。
沖縄海兵隊の司令部だけが、グアムに移転します。
実戦部隊は、そのまま、沖縄に残ります。
米国政府は、座間基地(神奈川県)に、米陸軍の新戦闘司令部を、設置します。
横須賀港(神奈川県)に、原子力空母を、配備します。

米国政府と日本政府は、グアム移転費の59%(約7000億円)を、日本負担することで、合意しました。(2006年4月24日)
国防副次官は、国防総省で、記者会見しました。(2006年4月25日)
「同盟に対する日本側の投資は、膨大な金額です。
日本側は、海兵隊のグアム移転費だけでなく、かなりの出費をする。
在日米軍再編総額は、約3兆4300億円です。
このうち米側負担は、グアム移転費の約4600億円です。
日本負担は、少なくとも、約2兆9800億円(再編関連経費2兆2800億円とグアム移転費)です。」

日本政府は、当初2兆円見込んでいました。
日本負担の総額は、3兆円を超える可能性があります。
日本政府は、一般会計の防衛予算から、計上する方向で検討しています。
再編終了時期は、2012年です。



米軍駐留経費

04/27/(18/5)

在日米軍の駐留に伴う従来の日本負担は、再編後に、年間8000億円を超えるのが、確実です。

日本政府は、世界一米国政府に、気前のよい国のようです。

米軍駐留経費に占める同盟国の負担割合



米国の同盟国が負担する米軍駐留経費(2002年)



米軍駐留経費負担;
(米軍が、同盟国に駐留するための経費のうち、同盟国側が、負担している金額)
日本...5382億円(2002年)
ドイツの2.8倍
韓国の5.2倍
イタリアの12倍
英国の18.5倍
他の米国の同盟国26カ国分より、多いです。
日本を除く、二十六カ国の米軍駐留経費負担額の合計4862億円よりも、大きいです。

駐留米兵1人あたりの負担



米兵1人あたり;
(駐留する米兵一人当たりで計算する)
日本...1293万円
イタリアの3.8倍
韓国、ドイツの4.9倍

米軍駐留経費に占める負担額の割合;
日本...74.5%
米軍駐留経費に占める負担額の割合;
日本...74・5%
日本は、約四分の三を、負担しています。

直接支援額は、3939億円です。
韓国(596億円)の6.6倍。
ドイツ(35億円)の112倍です。
日米地位協定に、負担の根拠が、記載してありません。
日本は、基地の施設建設費、基地従業員の労務費、光熱水料金、訓練費、住宅を、負担してきました。

施設建設;
豪華な米兵用家族住宅
レクリエーション施設
耐爆シェルター
格納庫など
米軍再編の岩国基地の拡張工事

間接支援額は、1443億円です。
国有地の提供、税金の免除など。



在韓米軍再編

04/28/(18/10)

米国太平洋軍司令官は、米下院歳出委員会で、報告しました。(2006年4月8日)
在韓米軍再編のうち、7752億円を、韓国側が、負担する旨の約束を、交わしたことを、明らかにしました。
韓国政府は、5700億円を、負担することになると予想していました。
これよりもさらに、2252億円負担が、増えることになりました。

朝日新聞が、世論調査をしました。(2006年3月19日)
米軍グアム移転経費の負担;
納得できない...78%
すべての年代で、7割を超えました。
自民党支持層でも、72%でした。
女性(84%)、男性(73%)。

岩国などへの移転;
地元の同意を前提とすべき...63%
国の判断で進めるべき...27%




地元の市民が、新基地建設反対のために、集まりました。



共謀罪

04/29/(22/02)

政府は、共謀罪法を作ろうとしています。(2006年4月25日)
政府は、衆院法務委員会で、28日、この法案を採決します。

政府は、共謀罪を、2003年の通常国会以来、国会に提出しています。
その都度、廃案となってきました。
しかし、2006年4月の今国会で、強行に、審議入りを決めました。

共謀罪については、提案の仕方が、普通ではない。
与野党間の空気も、普段と違って、冷たい。
1999年の盗聴法に、近い雰囲気です。

政府は、この法案は2001年11月、国連で採択された「国際組織犯罪防止条約」に基づくものだと、いいます。
しかし、この法案は、国際的組織犯罪とは、無縁な法を包含しています。
適用する犯罪は、600以上に及びます。
公職選挙法・酒税法・証券取引法・郵便法・道路交通法など。
人々の会話、電話、メール、日常の行動が、さまざまな形で、警察によって、モニターされます。
プライバシーや内心の自由までが、脅かされることになります。
監視社会が強化されます。

この法律が施行されれば、国内外の民衆のコミュニケーションに対し、国家権力が、恣意的で強権的な介入を行うことが、容易になります。
憲法に保証された「集会・結社・言論・出版・その他一切の表現の自由」を奪います。

共謀罪とは何ですか?

この法律は、犯罪の実行行為がなくても、謀議に加わるだけで、処罰することができます。
警察は、実際に犯行に着手していない人を、計画しただけで、逮捕します。
まるで、米国のテロ取締りのようです。

野党は、猛反発しています。
民主党の小沢党首は、言います。
「国家権力による強制措置が、なされようとしています。
国民の基本的人権を、束縛します。
厳格に、犯罪構成要件が定められないまま、官憲の裁量を、広げることになります。」

劇作家協会が、「共謀罪」に反対しました。(2006年4月24日) 「根拠、構造、意図そのものが、国民に対する重大な裏切りです。
国家権力に白紙委任状を、渡します。
国民の自由を、売り渡すに等しい大問題です。
『演劇』は、人間同士が集まることによって、成立する表現です。
コミュニケーションの自由や、表現そのものの多様性を、否定することにつながります。」

JCA−NET理事会は、声明を発表しました。 (2006年4月22日)
「監視社会化を加速し、人々の自由なコミュニケーションを奪う、共謀罪に反対します。
意見の表明や、話し合いによる合意の形成、意見交換を、犯罪とします。
行為ではなく、思想そのものを、取り締まりの対象とするものです。
共謀罪は、絶対に、許すことができないものです。
JCA−NETは、非営利の通信NGOです。
社会的・環境的・経済的正義・差別の克服を、求めて活動しています。
持続可能な市民社会を形成するため、情報通信で支援します。 」

日本弁護士連合会は、強く反対しました。 (2006年4月21日)
「一定の評価はしうる。
しかし、多くの問題点が、是正されていない。
文字通りの組織犯罪集団が、関与する場合に、限定すべきです。
犯罪と関係ない市民団体の規制に、つながります。
共謀罪に反対するのは、不信感からです。」

168団体のNGO、NPOが、共謀罪の新設に、反対しました。(2006年4月19日)
NGOも、あとで後悔しないために、共謀罪に“No!”。(2006年4月22日)
NGOは、環境保護や国際協力に、携わっています。
NGOは、「共謀罪」が市民活動に悪影響を与えると、懸念しています。

「共謀罪が適用されれば、政府や企業に嘆願しようと相談しているだけで、犯罪になる可能性があります。
共謀罪は、話し合いが、罰せられる法律です。
世界は、戦争へ向かっています。
『戦争は、そうした人々の沈黙とともに、やってくる』
政府は、邪魔な団体を、好き勝手に、潰すことができます。
話し合いに関わった人を、処罰できるようになれば、市民社会は、崩壊します。」



日本政府は、米国政府の要求に、逆らうことができません。

04/30/(19/05)

日本政府は、3兆円の在日米軍再編コストに、今日、動揺していました。(2006年4月27日)
早々、安部次期総理大臣候補が、消費税増税を、記者会見しました。
今日の会見で、私は、日本の未来を、危惧します。
安部次期総理大臣候補は、不安定な人のように、思いました。
もっと賢い人物が、次期総理大臣候補に、いないのだろうか?
お坊ちゃんばかりです。
今の日本政府は、強い人に逆らえないので、弱い国民だけを、苦しめるようです。
多くの国民が、失望しています。
今の日本政府は、誰を見て、話しているのだろうか?
私は、民主党に、縋(すが)るしかない。